QSLカードの作成について
カード作成は体力と相談
私の場合、現在は月間100局を目標に交信をしていますが、一時はその倍、一ヶ月間に約200局と交信していました。そのほとんどに、QSLカードを発信していくわけですから、毎月200枚のQSLカードの作成体力が必要です。
QSLカードですが、最初は、デザイン面の作成は業者へ依頼して、レポート面については、気持ちが伝わるような気がしましたので、手で書いていました。
ちょうど年賀状のようなものです。
ただ、年賀状もそうですが、丁寧に書いていると、時間ばかりがたち結局タイムリーに出せない結果に至る場合があります。年賀状もそうかもしれませんが、QSLカードを出す量と、それに使える時間から、QSLカードの作成方法はあり方は決まってくるのかなと思います。
手書きでカードを作るのは、確かに気持ちはこもりますが、コメントまで手書きしようと思うと、一枚にそれこそ5分くらいかかってしまいます。月間200枚といえば毎週50枚。週に4時間も、5時間もカード作成に時間を費やすことになります。それでよければ問題ありませんが、私のように仕事勤めの人間は時間的な制約があります。たとえばカードを作るために朝早く起きるようになると、仕事と趣味が本末転倒で、これでは続かないと思いました。
実際に受け取るカードのほうは千差万別で様々なものが来ます。確かに手書きのものには目は行きますが、一方でたくさん細かい情報が印刷されているときでも興味深く読ませていただくこともあります。趣味の世界ですから、伝えたいメッセージを自分なりに載せる、ということかと感じます。
見易さには注意
もうひとついえるのは、カードをもらったとき、果たして手書きのほうが目的を達しているかどうかという点もあります。美しい手書き文字は人を引き付けるものがありますが、他方で確認すべき事項に読みづらい字があると、やはりもらったほうでも手間がかかってしまいます。交信証明のような部分は活字で印刷してあるほうがもらう人には便利です。
JH1DOMの場合は、交信証明はフォーマットを作ったうえで、活字で印刷する体制をとることとしました。実際には発送するQSLの数に応じて手書きをする場合もありますし、印刷するケースもあります。フォーマットは、ワードで作りました。下記にサンプルを掲載しておき舞うS。
交信証明面はどのように作るのが見やすいでしょうか。
これも、受け手の側での交信スタイルによりけりかと思います。一回に受け取るQSLの数が少なければ、時間をかけて点検してもらうことを前提に作って問題ないと思います。逆に毎月200枚も受け取るとなると、受け手の側で点検していくのに体力がかかります。点検しやすいカードが届くのは大変ありがたいことになります。
JH1DOMの場合、カードが来るとハムログに入って、交信内容を確認していきます。
交信日時やバンド・モード、シグナルレポートは確実に確認をすべき事項です。その他、QTHとお名前は元の記録がなければ補記するようにしています。
効率的にカードの整理を進める上で、もらってうれしいカードは、まず交信証明面がしっかり見やすくできているカードです。
JH1DOMの意見としてあ、見易さを左右するポイントが大きくいって二つあります。
まず見易さの第一のポイントは、日付です。
日付はひとによって書き方がまちまちです。特に月日が数字で書いてある場合、迷うケースが発生します。人によって並べ方が「月・日」の順と「日・月」の順があり、そうなるといちいち考える必要があり、若干手間に感じます。JH1DOMは「月」を英語表記として、間違いを防ぐこととしています。
二つ目のポイントは、次に、誰からのカードかがわかることが重要です。1割くらいのカードは交信証明面にどの局から発行されたものかが書いていないケースがありますが、そうなると裏面を見なければなりません。通常、カードの点検はパソコンを使っている関係でキーボードをたたきながらの作業になりますので、意外にひっくり返すという作業は、ひと手間増えるイメージになってしまいます。
あと必須の記載事項ではないとは思いますが、交信の状況を確認するためには、リグ・出力・アンテナが記載されているとよいと思います。
JH1DOMはQSLを作成する際は、このフォーマットに、可能な限りハムログからデータをコピペするようにしています。コピペ以外の方法では、写し間違える可能性が出てきます。あとは日時、バンド、モード、RSTを順に手入力していきます。リマークス欄には先方のお名前と、FIRST
QSOありがとうございます、程度のコメントを入れるようにしています。
これであればだいたい一枚の作成に二〜三分くらいでできると思います。一週間に一時間あれば、カードの作成は終了です。これなら、継続して作成できると考えており、実行しています。
カードのデザイン
カードのデザインはさまざまな方がさまざまな方法で取り組んでおられると思います。
パターン化するのもむつかしいですが、移動先や付近の風景、当地の特徴のあるイベントなどの写真が多いかと思います。また、自局の設備、特にアンテナをデザイン面に採用されているケースも多いと思われます。
その他にも様々なこった工夫がされており、QSLを頂く大きな楽しみの一つでもあります。
当局もデザインはある程度意識をして作成をしています。基本的に当地である東京都練馬区の風景をデザインにはめ込んで図柄としています。だいたい300枚に一度くらいはデザインを変えたいと思っています。これまでの図柄は別途一覧にしてありますのでご覧ください。引き続きいろんな工夫を凝らし、受け取っていただける方に満足してもらえるものを作成したいと思います。
ちなみに、カードのデザインは必要なものではないため、裏面が真っ白なカードも少なからず届きます。ただ、片面であっても丁寧な作りこみをされているケースもあります。
QSLは面倒ではありますが、アマチュア無線の楽しみの一つでもあります。
一方で、QSLがアマチュア無線の発展の妨げにもなってはならないと思います。その意味で、次のeQSLやLoTWの取り組みは重要と感じます。
eQSL
QSLを交換するかどうかに関しては、SSBであれば短い会話の中で必ず確認する事項の一つかと思います。
多くの方はQSL交換をするため問題ないと思いますが、JARLに加盟されていないような場合はQSLが交信の障害になるケースがあると思います。カード交換をしてくれないなら交信をしないというような考えをお持ちの方は少ないとは思いますが、手間と時間、費用の掛かるQSL交換は避けたいと思われる方もかなりいらっしゃるのかと思います。
なおCWではほとんどの場合、QSLの交換に関してはやり取りしません。私の場合、一方的にJARLへ送付をしています。先方がJARL会員でなければ廃棄されることになるのかと思います。
アマチュア無線家としてQSLを一般的には発行しないにしても、要請があれば交信証明は発行すべきであろうと思います。
これは、公共の電波を利用してアマチュア業務に当たっている付随的な義務のように思います。また、趣味の世界で言えば、いろんなアワードを追いかけておられる方もいらっしゃることもあります。
そのような中、紙に出力したカードをビューローを通じて交換するのはいかにも時代遅れな感じがないとは言えません。
このような中、eQSLというサービスが行われています。ネット経由申し込みを行うと、電子的にeQSLを通じてQSLの交換ができます。この場合、一枚一枚カードを書いていくというような作業は不要であり、ログを一括してアップすれば自動的に発信されてしまいます。大量に交信をされる局などではこういう形でQSL交換が完了するのであれば、非常に効率的なものになると思います。JH1DOMも遅ればせながら2018年1月よりeQSLの発行を開始しました。ただし、eQSLを開始したのでビューロー経由のQSL交換は当面は中止するつもりもありません。まだまだ現状電子的なQSLと紙のQSLに載せられる情報料と創意工夫には落差があるように感じます。
その他、QSLの配信手段としてeMAILを利用するのなどは今後も増えるかもしれません。あるいはLINEのサービスのようにやり取りできるようになるようなことがあるかもしれません。
LoTWに関しては、現在ARRLに証明書を送付中です。また別途報告したいと思います。
eQSLやLoTWは電子的な方法で交信状況を確認できるという意味で画期的だと思います。データの形態なので操作ができます。たとえばログの突合なども目作業ではなく機会がやってくれるような利点があると感じます。少なくとも今後とも利用が拡大していくことは確実と思います。
QSLの整理
現在JH1DOMはいただいたQSLのデータ化(スキャンですね)を進めています。
ハムログにはデータ化されたQSLが自動的に引っ張れる機能が付いており、以前に交信した局と改めて更新する際にはデータがポップアップしてくる機能があります。いろんな考えが込められたQSLも特にPHONEでお話しする際は重要な話題だと思いますし、あらためてデータを見ることは大きな楽しみです。また、データの形で保存することで整理も楽になります。
(2018年1月12日)