(概要)
50MHz(通常は
6mバンドと呼ばれることが多いと思います)バンドは、144や430と同じく直進性に優れたバンドではありますが、電波の直進性は430などと比較するとかなり穏やかになり、ふわっと近距離を包み込むイメージとなります。一方で、QRPで遠くまでという感じは次第に薄れ、430のようにphoneを5Wで関東全域をカバーするのはむつかしいのが実感で、当局の場合でもその三倍15Wくらいの出力が必要と思っています。遠距離になるにつれ減衰が大きくなり、入りにくくなる実感が関東圏内でもあります。
このバンドは、特にEスポが出た時には非常に活性化されます。国内がまさにあたかもすぐ隣で運用されているかのように入感することがあります。もっとも、いったんEスポが出ているとわかってしまうとバンドはぎっしりとなり、簡単にはQRVできなくなることもあります。多くの方はEスポ期待でこのバンドを利用されているのかと思います。Eスポは季節的には春秋といわれています。Eスポ状況は、NICTのページで確認ください。

JH1DOMは50MHz帯では、主としてSSBでQRVしています。また最近はFT8でも出ています。CW/RTTYもたまに出ることがあります。FMモードは出たことはありますが、最近はあまり出ていません。Eスポに関してはバンドがぎっしりになってしまうこともあり、あまり後発的には利用していません。たまたま自分がQRVしていたらEスポが出て、遠くとつながるようになったようなときは対応する、といった感じです。
50MHz帯は、バンドの幅も非常に広く、7MHzのようにバンドがすでにQSOでいっぱいで出る場所が見つからない、ということはありません。逆に、バンドが広すぎてどこに出るべきかに迷ってしまいます。そこで、アマチュア無線家の間ではだいたい出る場所の暗黙の了解があり、おおむね50.200MHz前後50kcがSSBでの交信場所とされているものと理解しています。
なお、このバンドは国際バンドとしての着目もあり、50.080-50.150あたりは、国際交信に使われる場所であるため、国内交信には使わないというのが暗黙ではありますが、公然としたルールです。ここだけは気を付けましょう。当局もVKとCWで交信できた履歴があります。
その他、50.500MHzを超えるあたりではAMの交信がされていることがあります。JH1DOMは認識はしていますが、今のところ十分な取り組みをAMに対してはしていません。6mのことを離れますが、そのほか430.430MHzでもたまにAM交信がされていることがあります。
51.000MHzはFMの呼び出し周波数です。ただ、FMに関しては、あまり活発ではないというのが認識です。


(装備)
6mになると、本格的なアマチュア無線家としてはそれなりのアンテナを上げているケースが多くなるように思います。交信をして話を聞かせてもらうと、このバンドのアンテナの主力はHB9CVではないかと思っています。場所がないとおけません。したがってアパマンには無理となります。当局は他のバンド同様にモービルホイップでこのバンドに出るのですが、その場合には「偏波面」の差が問題となります。
HB9CVは水平偏波です。一方でホイップは垂直偏波です。したがって、HB9CV-モービルホイップでは偏波面が合わず通信効率が下がります。
これは結果的に、当局の受信感度が低く、一方でHB9CVの良好なアンテナ性能のため、先方で当局の電波が不釣り合いに強力に入る傾向を生じるとみています。例えば当局では51でしか入感しないのに、先方では59で当局が入っているようなケースです。向こうの方にはよく聞こえているのに、当方は取りづらい現象が発生します。
当局は電波特性を考え、SSBでCQを出す際は2mや430対比大きめのだいたい15W出力としています。ただ、上記に書いたような交信しづらい現象が時々発生します。不釣り合いを実感しながらの交信が少なくないのが実際です。
とはいえ、リグとアンテナがあれば、6mは出られます。SSBは普段からもある程度のQSOは聞かれます。ただ移動運用をするには装備が必要になってくるため、固定局が占める割合は高くなってくると思います。
中級の無線機ではHFと50MHzまでがカバーされていることがほとんどと思います。当局もこのバンドはメイン機のIC7610で出ています。メイン機ならではいろんな機能が使えるようになるのも魅力です。
6mには「愛好家」ともいえる人がたくさんいらっしゃいます。私程度のキャリア(2011年開局)にはわからない、「このバンド/モードでデビューした」という話を6mではよく聞かせていただきます。当時はこのバンドが入門的な役割を果たしていたのかもしれません。


(伝播状況)
6mになる伝播状態は直観的にはよりHFに近いものに感じられます。
省電力でまっすぐ、そうはいっても建物の影も何とかOKという430のような進み方ではなく、回折しながら遠くまで直進していく感じです。ただ、F層に反射するものではありませんので、Eスポを除けば電離層反射を期待するものではありません。あくまでも直進と回折といった基本的な直接波交信が中心となります。JH1DOMの過去の交信記録を見ても直接波の最長は長野市で、それも先方局がかなり海抜の高いところからの応答であったため、やや例外的かと思います。それで約150kmです。場合によっては、2mのほうが遠くまで直接波(回折を含む)で届いているように思います。
6mのポイントはEスポだと思います。
春と秋のシーズンといわれていますが、夏もそれなりにタイミングを見ていると出ているように思います。出るときは毎日のように出ますのである程度読めると思います。Eスポが出れば、突然として6mでも沖縄でもつながります。ここがこのバンドの面白いところかと思います。Eスポが出ると一斉にこのバンドに無線家が出てくるため大変な賑わいとなります。それまでゆっくりとしたラグチュー中心だったバンドが突然59/59の交換に様変わりしていきます。こちらが話しているうちにコンディションが落ちて向こうがいなくなっていた、ということはEスポの時は珍しくありません。手早くまずは交信を成立させるところがポイントになってきます。
なお、Eスポでつながりやすくなるのは50MHzだけではなく、下のバンドも同様です。E層の臨界周波数次第では下のバンド(例えば21MHzや28MHz)はEスポによる交信ができても6mまでは恩恵が及ばないことがあります。
なお、Eスポは雲のようなものなので、出たからといって例えば6エリア全部とまんべんなくつながるようになるものではないようです。ピンポイントのようにつながるエリアが発生する、そういった感じです。


(使われ方)
・SSB
50MHzの中心はSSBです。

上記の通りの暗黙の取り決めがありますので、50.175あたりからがSSBの国内交信の周波数帯となります。その上限は51.000MHzですからバンド幅は十分にあり、大変にぎやかな状態であっても50.300MHzまで並んでいることはあまりはないと思います。
Eスポが出ていなければ、遠距離交信をするわけでもなく、お近くの方との交信が中心になります。至ってのんびりと情報交換をする場所といえばよいのかなと思います。ぜひぶらりと来ていただいて、聞こえておりましたら私のCQにお答えいただければと思います。
FT8
50.313MHzがFT8の周波数として「指定されています。

それなりにここでの交信は活発にされています。ごく稀ですが、VKあたりからの入感もあります。
海外からのマルチホップの入感に備え、
6mのFT8ではEVEN側(00/30)は海外からの入感に備えて国内は受信側とし、国内からのCQはODD側(15/45)で出すのが、慣行とされていると伺いました。6mのSSBの国際的な取り決め同様、当局ももちろんこれに倣いたいと思います。
・CW
6mのCWの専用周波数はずっと下のほうに設けられていますが、正直私はそこをワッチしていませんし、CWで出る場合は全体としての注目のある50.200近辺で出ることとしています。バンドプラン上、何の問題もありません。
この、SSBとCWが混在して運用されていることに関しては、いくつかの意見があるかもしれません。
一つはほかのバンド同様に住み分けるべきではないかというものです。CWはCWとして所定の場所で集まってやったほうがそもそも相手も見つけやすいしバンドを効率的に使えるという意見もあると思います。SSBにCWが混信する可能性がないとは言えませんが、なんとなくSSBの隣でCWが更新されているのがしっくりこない人もいるかもしれません。現実、コンテストの時はCWの場所とSSBの場所はすみわけがなされます。
ただ、一方でCWとSSBが混在しているのが良いという意見もあります。バンド幅が広く、狭いところを効率的に使うほどの必要もないなら、ある時にはCW、ある時にはSSBとモードを切り替えながら運用する楽しみがこのバンドでは可能、というのがポイントだということです。その意味でさらに別モードに切り替えることも可能です。なお、デジタルモードは50.200以上とされているため、RTTYなどの運用は例えば50.195などではできません。
実際は、50.200付近で交信がされていることがほとんどであるため、ワッチをする側などから見ても、そのあたりの周波数でいろんなモードが出ていても、混乱しないなら効率的だと思います。
場所の問題は以上です。
次に人気ですが、残念ながら6mのCWの人気はあまりは高くないと思います。
ただ、CWがやはり無線通信の基本で、長距離通信といえばCWであることを思うと、私はもっとCWの交信がなされてたらいいなと思います。もっとも、練習しようにも相手もいないのが実情であることをおもうと、もっとできる人は積極的にCWの交信を行うのが良いのではないかなと、思います。
関東にいる6mに出られるアマチュア無線家が、例えば土日必ず一回15分ずつ6mでCQを出せばずいぶん違うと思います。また、たとえば毎日8時ごろから10時ごろまでできるだけ6m(2mでもいいかもしれません)で会社帰りの無線家も少し声を出せばどうでしょうか。そんな風に思うこともあり、時々JH1DOMはCQ出しています。
・FM
51.000MHz以上はFMです。51.000が呼び出し周波数となります。
JH1DOMもごくたまに出ますが、参加者少ない感じです。PHONEはSSBが主流、FMの交信は2mや430が主流でその間に落ちていて、6mでは交信はあまりされていないと思っています。最近は出ていませんので詳しいことはわかりかねます。
・AM
モードとして機械に付属していていながらまだ積極的に挑戦していないのがAMで、50.6MHz前後で交信がされているのをときに耳にします。
いつかCQ出してみようと思っていますが、いつもSSBに行ってしまっています。
AMモードは当局にはまだわからないことがたくさんです。なかなか交信相手が見つけにくいので、2019年のNYPを利用してAMにQRVしてみました。結果の感触は、AMだからといって伝播状態が大きくSSBとは変わるものではないのではないか、と思いました。チューニングがなんとなくむつかしかったように思います。AMにはゼロイン機能がついているのにあとから気が付きました。確かに商業のAM放送もそうですが数百ヘルツ場合によってはキロヘルツ単位でずれていても了解はできるのがSSBとの違いだったように思います。音質はSSBとは異なり、うまく言えませんが、悪くありません。そもそもSSBが普及した原因がバンドの幅の効率利用であったとしたら、今のようにバンドがあいているのであれば、狭帯域の電話に分類されるAMの交信がもっとあってもよいように思います。なお、SSBの信号はAMでも復調可能(逆も真)で聞こえにくくて不思議に思っていたら「モード違い」だった、ということもあります。
なお、AMは430.430でも交信されることを聞いたことがあります。待ち受けでは来ないと思いますので、どちらかというと430のメインで呼び出しがかかるのを気長に待っているのが良いのかなと思ったりします。
・RTTY
50MHzは50.200以上でデジタルモードが許容されているため、RTTYで出ることができます。RTTYが出る場所、と決められてところは全くないと思います。したがって、普通のところ(50.200以上50.250以下くらい)でCQを出すようにしています。RTTYは需要そのものが低迷している関係で相手を見つけるのがむつかしいと思いますが、時々は応答いただけます。CQださずんばQSOを得ず、というところですので、ぜひ挑戦してもらえたらと思います。


(JH1DOMの交信スタイル)
JH1DOMは、6mに関してはSSBを中心に時々CWも運用しています。また、時々はRTTYでもCQを出しています。
偏波面の問題もあり、SSBでCQを出すのは時には苦しい時もあります。ただ、DX局がすれすれの入感をとれるまで頑張っている姿を耳にするとき、聞こえないから投げ出すというのはないのだろうと思って頑張っています。どうしてもだめなときはさすがにご容赦いただくこともあります。31くらいまでは行けますが、それ未満は厳しいです。あと、31や33のシグナルレポートを送るときは会話はほとんど聞き取れませんので、そのあたりもご理解いただけると助かるなと、思うことがあります。言葉を変えるといろいろとおっしゃっていただいてもこちらにはわからない、ということとなります。その場合は最低限の情報交換でお願いできれば、ということになります。シグナルレポートが5で始まっていれば大丈夫です。

(最終更新2020年3月21日)






JH1DOMの実感 ・・・ バンドごとの特徴 50MHz

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