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 RTTYについて
 
JH1DOMは2017年12月から新しいモードとしてRTTYの取り組みを開始しました。
RTTYに関する情報は、ネットを見ていただければ多数出ています。特に技術的な部分は専門性が高いほかのOMの皆様にお譲りし、以下RTTYへの参加者として、私の思うところ、感じたところ、経験したところを記載していこうと思います。

まず、当局はRTTYの交信を行うのに、MMTTYを利用しています。
RTTY開始段階では、申請の煩わしさや、当時のメイリングのIC-7600にRTTYの送受信機能が付属していたことから、外部ソフトウエアを使わず、無線機にキーボードをつないでやる方法で始めました。ただ、このやり方には、やや無理がありました。一つはリグに表示されている細かい文字を読む必要があることでした。さすがに長時間つらいところです。また、アパマンハムの制約から無線機がパソコン(ログ記録などで必要)からみて左側にあるため、無線機をのぞき込むのに体をひねる必要があり、やはり長時間取り組みを行うには結構しんどいところでした。
その後、2018年1月にメインリグとしてIC7610を導入、引き続いて、
19年3月FT8開始の申請の際、あわせてRTTYのパソコン経由の電波発信の変更申請を通し、以後当局もMMTTYを導入し、パソコン経由の運用へ切り替えました
当局がMMTTYのすべての機能を使いこなしているかといえばおそらくは違うだろうと思いますが、少なくともIC7600/7610に搭載されているRTTYの交信機能はMMTTYには備わっており、送受信を行うのにはMMTTYで全く支障はありません。

■バンド内の運用状況
RTTYの交信はバンドプラン中の狭帯域データのところで行う必要があります。
この中で、FT8やJT65に指定されている周波数は避ける必要があると思います。これらの人気の新モードについてはいつ見ても交信が行われているので誤って混信や妨害を与えることはないと思います。
RTTYの占有周波数は1/4KHz程度です。したがって、CWと同じくらいの間隔で交信することができると思います。現状一番(唯一?)込み合っている7MHzでも0.5KHz刻みで出ています。
これまでの経験からすると、
RTTYとして活発に交信されているのは7MHzです。周波数的には7.035前後です。それなりの人気があります。当局の実感は例えば7MHzのSSBの潜在的な参加者数を100とするとCWがおそらく20、RTTYは5くらいの人気はあるのではないかと思います。
7MHzの次に人気があるのはおそらく10MHzだと思われます。交信周波数は10.130-135くらいと思います。ただ、最近はコンディションが上がらず交信ができない状態です。
そのうえ、DXは14MHzが中心と聞きます。周波数的には14.080-090MHzのあたりと思いますが、実際はほとんど当局には聞こえません。近くからの応答もないため、国内交信は7メガに集中しているように思います。
なお、
50MHzもRTTYが行われているようです。NYPで出てみましたが、応答がありました。バンドが広いのと、モードを混在して運用できるのがこのバンドの特徴であることもあり、どこというのはわかりにくいですが、50.250-50.350あたりが交信場所とみています。ちなみに50.200未満はバンドプランに狭帯域データはなく、出られません。

■交信の実際
RTTY交信は基本的にはラバースタンプです。
もちろん構造上、RTTYはキーボードから入力されたとおりに送信できますから、原則的にはフリーな送信が可能です。
ただそのためには、キーボードで入力が達人のレベルになっている必要があると思います。
TTYの通信速度は、当局の場合、自分のアルファベットのタイピングスピードを考えるとかなり早く、私の力では追いつけません。また、タイプライターの時はありえなかった「BACK SPACE」キーが現在のキーボードでは存在するため、今の(誤入力にやさしい)キーボードになれてしまっては、
リアルタイムのチャットはRTTYではむつかしいと思われます。
結果的にRTTYの交信は事前に準備したメッセージの一部を変更して定型文として送り出す方法がほとんどと思います。
事前に準備したメッセージに
各局の工夫を感じるところです。
この点、短いながら、考えながらメッセージを発信できるCWより工夫の範囲はやや狭いように感じます。
当局はIC7600ダイレクト方式にせよMMTTYにせよ、定型文でよいと割り切っています。
その意味でCWの599BKやFT8とある意味似ているところがあります。

■シグナルレポート
シグナルレポートについて、という記事を上げておきながら矛盾するようですが、
当局は現状RTTYのレポートは599に統一しています。
なぜなら、機械がDECODEしてくれなければわからないからです。交信の成立非成立は非常にデジタルです。文字化けがあってわからなかったら、交信は成立しませんし、解読できれば交信は成立です。599かそれ以外かと現状こういった理屈で割り切っています。また、実際問題として599以外のレポートをもらわないのと、上記のような「定型文」のやり取りを前提に成り立っていることもあります。

■出力
当局はCWなみとしています。したがって国内遠距離は100Wとしています。
RTTYの交信が成立するためには文字化けなく相手側でDECODEされる必要があります。しかもDECODEは機械が行います。省電力を相手の耳の力で補うPHONEやCWとはやや違います。これも含めて、当局から見た場合RTTYの到達力は概ねCW並と考えています。
あるいはCWとRTTYでは、おそらく人間の耳の熟練が働く分ノイズに対する耐性はCWのほうが高いと感じています。つまり、アマチュアにおける遠距離通信の王道はRTTY導入後もRTTY-DECODERの組み合わせよりKEY-HUMANに軍配があがっていると思われます。

■感想
機械がDECODEしてくれるという気楽さ、定型文のやり取りでよいという全体としての割り切りもあり、
RTTYは楽しめるモードであると思いました。
もちろんちょっとした工夫でこちらの熱心さや親しみを演出することも可能です。
RTTYの開始に当たってはモールスコードを覚えるというステップはありませんから、RTTYはCWよりデジタルモードとしては利便で上回っているのではないかと思います。ただ、その意味ではFT8ははるかに進歩した形態となっています。FT8の欠点は定型文の交換しかない、個性がないということかと思いますが、そこが大事でないのであれば、RTTYがFT8とは競えないような気はします。現在の通信のデジタル化の流れの中、RTTYは現状も人気という意味では不活発ですが、ここから人気が高まる要素はあまりはないのではと思います。もっとも、
キーボードを使いながら、相互のチャット交信ができることを思うと、独自の存在意義もあると思います。
あまりCQが出ているのは聞きませんが、コンディションが良ければ7MHzで、そうでなければ6mあたりでJH1DOMとしてはCQを継続して出していきたいと思います。


(最終更新 2020年6月7日)