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 FT8について
 
追加情報
6月10日付けの総務省から連絡で、FT4の申請が簡素化され、FT8の承認を受けた無線局は追加変更の手続きは不要、とされました。従って、FT8ができる状態であればFT4はできることとなりました。ブログも参照ください。

■概要
JH1DOMはさらなるモード拡大を目指し、2019年3月からFT8に取り組みを開始
しました。
FT8に関する評価は様々かもしれませんが、これまで電信や電話ではお話しすることができなかった非常にたくさんのアマチュア無線家と新しい交信が成立していることを見ると、
FT8への参加者は当局から見ると新しい大きな交信相手のグループの出現となりました。できるだけたくさんの人と交信することを目標としている当局にとって、FT8は大きなツールとなりました。また、海外とも確かに良くつながります。DXが普通に成立するのも、これまで偶然の域を出なかったJH1DOMのDXという分野に新しい地平を拓いた感があります。
多くの無線家が、これに参加されることを期待したいと思います。


■FT8を始めるにあたって

JH1DOMは技術者としては素人といわざるを得ませんので、技術的な部分の詳細はWEBなどの情報を見ていただけたらと思います。
FT8開始にあたっての技術的な準備事項を以下に記しておきます。
まず、専用のソフトウエアが必要です。当局はWSJT-Xを利用しています。これをダウンロードする必要があります。このアプリケーションとリグを接続することでFT8の電波がどのようにやり取りされているかは、確認ができるようになります。
一方で電波発射に関しては、パソコンを利用した信号発生となるため、付属装置の届け出が必要となります。FT8に関する届け出は大幅に簡素化されたため、申請そのものは非常に簡単です。変更申請から入って、送信系統図と諸元表を添付すればそれで終わりです(この部分も上記通達により既存局は資料添付は不要とされたものと思われます)。送信系統図、諸元表ともWEBに例が多数出ていますのでそれを参照されるとよいと思います。関東総合通信局の審査期間は3週間ほどだったと思います。
WSJT-Xと電波発射に関するリグの接続に関しては、当局の場合接続するリグがICOM社のものですので、同社のサイトに記載の通りに設定をしました。よくわからない部分がありましたが、まずは書いてある通りにやれば電波は出るようになり、また、それで十分なのではと思います。なお当局はWSJT-Xのバージョンアップを行った際に設定に苦労をしました。その苦労に関しては別途ブログにあげましたので必要に合わせてごらんください。


■電波の飛び

CWと比較しても省電力でよく飛ぶと思います。
たとえば当局はCWの3.5MHz帯でCQを時々出しますが、RBN(REVERSE BEACON NETWORK=CW電波のグローバルなモニタリングネットワーク)では電波が検知されません。つまり、モービルホイップ/100Wで電波が出ているかどうか、というような状況です。ところが、同じ装備で出力を50Wに落としても、FT8であれば国内良くつながります。7MHzでもCWではまるで応答がないような状況下でも国内専用のFT8周波数ではどんどんつながっていきます。これをどう解釈するかを確定的には言えませんが、CWの参加者が少なく、届いているが応答がない、一方でFT8は参加者が多いため、応答があるとも考えられるかもしれませんが、やはり違うと思っています。明らかに伝播という意味ではFT8がずっと優れているということだと考えます。
PSK REPORTERと呼ばれるサイトを使うと自分のFT8の電波の伝播状況を見ることができます。これによると電波が国内国外各所に届いていることが信号強度も含めて確認できます。参加者のことを割り引いてもこれを見れば、これからもFT8の伝播状況はCW対比優れているのだろうということが推察できます。当局ブログにいくつか当局の電波の伝播状況を乗せておきましたので参照いただければと思いますが、普通に世界中とつながる、という状態です。 PSK REPORTERによれば、電波は海外にも出ていきますが、その伝播は当たり前ですがコンディションに左右されます。伝播の可能性についてはVOACAPのサイトなどで確認できますが、その程度の飛びは期待できると思います。
ただ、いつでもどこでも弱い電力で世界中に届くか、といわれるとそれは違うと思われます。また、海外からの呼びかけは画面上で「見える」もののこちらからの応答が届かない、いわゆる「とってもらえない」ケースは、特にDXの場合CW対比で圧倒的に多いように感じます。正確な電波伝搬の理論は当局は存じ上げないところですが、FT8を始めるまでの実感は「聞こえていれば応答すると取ってもらえる」でした。取ってもらえないのは嫌われている(?)か、さもなくばパイルに負けているときかと思っていましたが、FT8を始めてからは「先方からは届いているがこちらからは届かない」がごく普通のことだということがよくわかりました。設備の差かもしれませんし、もっと伝播に関する理論的なことかもしれません。

■バンド内の運用状況
FT8は、ソフトウエアで設定されている周波数が事実上のグローバルな交信周波数となります。3.573、7.074、10.136、14.074、18.100、21.074、24.915、28.074、50.313、144.174とされています。
3.5MHzと7MHzは国内の専用の交信周波数が別に存在します。それぞれ3.531、7.041です。バンドが開けている時間帯は見ればわかるほど密集して電波が出ていますので、間違えることはないと思います。また、国内では144MHz/430MHzのFT8周波数は144.460MHz、430.510MHzとされています。1200MHz帯は1296.600MHzとなっています。
指定された周波数から3KHz程の間が交信に使われている周波数帯となります。WSJT-Xはビジュアルにどの周波数で交信が行われているかが見えるグラフがアプリケーションを開くと同時に表示されます。CQを出す側に回る場合はこれで空き周波数を探し、電波を発信します。隣の周波数とどれくらい離れていれば混信しないかは正直よくわかりません。経験上は10kHzも開いていれば大丈夫ではないかと思いますが、それでも混信を避けるため広く開いているところで出すべきと思います。
FT8の国際的な中心的周波数は7MHzと14MHzと思います。非常に活発でいつでも多数の局が電波を出しているのがわかります。また、普通に海外とつながるのも非常に魅力的です。一方で国内は7.041MHzが参加者が多いと思います。CWが全くダメな状態でもFT8では普通につながっていきます。近距離では50MHz/144MHz/430MHzもそれなりに交信されています。なお、50MHzは国内用の周波数がないため海外と共通となります。当局もVKと6mでFT8がつながっています。その混在ぶりもいろいろと思いをはせながらやっていくのには面白いと思います。


■交信の実際

交信は「全自動」に近い状態です。一回に送信できる文字数が13文字までとなっているとのことであるため、自由度はそもそもありません。また、全世界的にデフォルトの交信文でやる前提となっているため、フリーな情報を入れると交信が滞ることが懸念されます。したがって、交信をするというよりは交信を眺めるに近い状態で、極端な話無線機の前にいなくても交信は成立してしまいます。それを交信というかどうかは人によっては違和感があると考えます。当局はそれを交信と呼んでよいと思います。
交信成立後若干の付加情報が送られてくるケースがあります(移動地や出力)。むつかしい中の工夫であり、先達はさすがだなと思っています。


■シグナルレポート

シグナルレポートはS/NのdBであらわされます。シグナルの強度は機械が判定するため、人間を介しません。同じ交信中でもS/Nは結構ぶれているため、その時点での瞬間風速が報告されます。レベル的に言うとS/Nゼロでおそらく59だと思います。-24dBまで分析できるとされていますが、-15dBくらいであれば、55水準なのではと思います。あくまでも私の勝手なイメージです。RTTYも同じですが、DECODEできれば成立、そうでなければ不成立ですから、59だけでよいのかもしれませんが、レポート交換はdBで、ということになります。(e)QSLにおいても同様にdB表示で交信証を発行します。


■出力

FT8はそもそもの発想として省電力がうたわれています。FT8はソフトウエアの設定で世界中で自分やほかの局の電波のとび方がどうであるかがわかります。PSK REPORTERというサイトがそれにあたります。当局の経験によれば、届くのなら50Wあれば十分と思われます。これで欧州も、米国もコンディションが合えば届きます。つながるかどうかはピックアップしてもらえるかどうかにかかっているというべきかと思われます。6mではおそらく当局のロケーション(80mH)であれば1W程度でかなり届くと思われ、CWと比較しても倍、三倍の「飛ぶ力」があるように思います。

■QSOの成立タイミングについて
FT8のQSOは先方から「R」や「RR」のメッセージが届くと成立しますが、当方が返信した「R」や「RR」が先方に届いたかどうかはわからず、交信が一方では成立したように見えて、他方では成立していないケースがあり得ます。「73」のメッセージが返ってくればわかりますが、究極のラバースタンプのFT8では最後の確認が省略されることも少なくなく、認識相違が発生する可能性があります。FT8以外でも起こりえるかもしれませんが、特にこのモードではそのあとのQSL交換がeQSLで(場合によってはリアルタイムで)行われることもあり、一定程度不成立の可能性を覚悟しておく必要があるように思います。eQSLでそういったケースに出会った場合、当局は事実に基づいて「ログ記録なし」など当方の記録に合わないケースははっきりと返事をするようにしています。

■感想
「交信」というよりは、「テレビゲーム」に感覚が近いと思います。
極端に言うと、無線機の前に座っていなくても、交信が成立してしまいます。これをアマチュア無線というかどうかは、好みや判断がわかれるところかなと確かに感じます。
ただ、冒頭に述べたとおり、新しい地平を切り開いたという意味で非常に画期的なモードであることは確実です。
多くの方が参加されることを当局としては希望します。
実際にソフトを立ち上げるとわかりますが、FT8では交信したことがある局のCQかどうかが色を付けてあらわされます。このことは背景の考えとしてFT8は同じバンドでは一局あたり一回を前提にしているように思えます。このことは一度交信すると同じ局からの極端に応答率が低くなる(同じバンドで同じ局とFT8で二度交信することがまれとなる)ことにつながり、実際そのように思います。したがって、FT8はやればやるほど相手が減ってしまうことになり、新規参加者が減ってくるとおそらくこのモード自体の魅力がそれなりの速度で薄れてしまうような気がしますし、すでにそのような感覚をこの文章を記載する時点(2020年3月)でもっています。

■付録(申請書類)
お話させていただく中で、多くの方が「面倒だ」ということでFT8への進出をためらわれているように思います。
現在、総務省への審査申請は大幅に簡略化されています。
以下、参考になるかどうかわかりませんが、当局の申請を記載します。
電子申請LITEで「変更申請」を選びます。もし前回の申請内容があれば基本情報を読み込ませ、そうでなければ入力し、「変更する欄の番号」で「16 工事設計書」を選びます。当局の場合はFT8を追加することで電波形式に変更はありませんでした。また、追加しようとしたほかのモード(パソコンを通じてのRTTY、SSTVやJT65など)もすでに承認済みであるため、13の電波形式や出力の変更は影響ありませんでした。リグの追加申請とFT8の追加申請は別にするのがよいという話を聞いたことがあります。当局の場合は、追加申請対象となったIC7610、IC9700とも、すでに申請済みの状態でスタートしています。
「15備考」の欄にIC7610への追加申請の時は「本件は第2送信機に付属装置(PC)を接続するものであり、付属装置分の電波形式等は別紙諸元表のとおりです。」と記載しました。これは総務省のホームページの記載に準拠したものです。なお、第2送信機とはIC7610のことです。ここは皆さんの申請状況に応じて書き分けます。
そして「16 工事設計書」ですが、対象の装置の「増設」としてまず「送信系統図」そして「諸元表」を添付します。参考までに当局のIC7610申請時点の送信系統図と諸元表を添付しておきます。これで審査は通っています。
あとは「申請届出事項」を「無線設備変更工事等の許可または届出」として出しました。
審査は終了まで約三週間であったと思います。
簡単です。ぜひチャレンジしてください。
(この部分については2020年6月10日総務省通達でさらなる簡素化が図られています。各局の申請形態で取り扱いが異なると思いますので、ご確認を願います)

送信系統図・諸元表

FT4周波数情報

(最終更新 2020年6月20日)